相続が発生すると法定相続人で協議のうえ財産の配分を決定する必要があります。相続人の中に精神疾患や重度の認知症などで意思能力がなく、支援がないと生活ができない人がおり、本人に意思が確認できない人がいる場合、どのような対応を取れば良いのでしょうか。

当記事では相続人の中に精神疾患の人がいる場合の対処法について解説します。

相続人の中に認知症、知的障害や精神疾患で遺産分割について判断することが難しい人がいる場合の対処法について具体的に確認していきましょう。

成年後見人とは被後見人のために法律行為や手続きをし、生活の保護をする人です。成年後見人を建てることで、後見人が代わりに遺産分割協議に参加することが可能となります。

成年後見制度を利用するための手続きは、制度を利用する前に家庭裁判所にさまざまな書類を提出する必要があり、提出してからも実際に成年後見人が選任されるまでは時間がかかります。制度を利用するために成年後見人を選任している間に相続税の申告期限に到来してしまうという可能性もあり、期限には注意が必要です。

また、成年後見人は必ずしも家族がなれるわけではありません。弁護士や司法書士などに依頼した場合は継続的に費用がかかると言うデメリットもありますので、状況を鑑み、家族ともよく検討してから裁判所に申請するようにしましょう。

意思能力がなく、財産の請求ができない人の利益を守るために、財産を遺さないことや遺留分を侵害することはできません。しかし、被相続人が生前に保有していた財産を配偶者や子などに法定相続割合通りにそれぞれ相続することで遺産分割協議を経ずに財産を分割することができます。

しかし、相続財産の遺産分割の問題は解決するとことができますが、相続割合通りに相続することで不動産などは法定相続分で多くの人で共有せざるを得ませんので後々の売却や管理の面で相続人で意見が合わずトラブルとなる事例もあります。遺産を相続する際に共有したことで後でトラブルとなり関係が悪化すると、その後関係が修復することが難しいケースもあります。誰が何を取得するかは非常に重要ですので、財産の一覧を作り、親族でよく話し合う必要があるでしょう。

精神疾患の人がいる場合の相続手続きは、本人が意思表示できない分、非常に難しく、判断に迷う場合が多いでしょう。不動産の所有権登記等、相続手続きについて判断に迷う場合は、費用はかかりますが弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談するようにしましょう。特に相続税がかかる場合は、財産を取得した者が相続開始から原則10ヶ月以内に申告をする必要があり、短い期間で、金融機関の名義の変更など他の手続きをしながら急いで準備を進める必要があります。

精神疾患の人がいる場合の手続きは時間がかかることが多いので、自分で判断せずに専門家に相談してみることをおすすめします。専門家に依頼することで、安心して手続きを進めることができるでしょう。専門家に支払う報酬は財産の内容や被相続人によって異なります。初回の相談はサービスで無料で応じる事務所も多いです。