金利の予想を甘く見て失敗したアパート経営
Aさんは、父親から相続した遊休地をお持ちでした。
連日不動産業者がやってきては
「土地活用のためにアパートを建てましょう」と提案されていました。
なにも活用せずに、税金や維持費だけがかかるのなら、少しでも利益を出したいと考えるのは当然です。アパート経営なら定期的な家賃収入が得られると考え、建設費用や空室リスクなどを分析し、賃貸アパートを建設する事を決断されました。
好立地だったこともあり、新築当初は満室。Aさんのアパート経営は順調にスタートしました。
しかしアパート経営を始めてから3年後、少しづつ陰りが見えてきました。
アパート経営を始める際に設定した借入金の金利の上昇が原因です。
変動金利ため、通常はそのリスクを厳しく考慮する必要があったにもかかわらず、不動産業者はリスクを無視。Aさんのアパート経営の決断が欲しいがために、甘い利益だけしか伝えず、当初の低い金利のまま収益シミュレーションを提示していたのです。
それだけにはとどまらず、近隣に競合が出てきたことで空室も徐々に増えてしまいました。結果、家賃を引き下げる事を余儀なくされたAさん。
アパート経営を続けていくのは難しくなり、売却を考えますが、さて、納得のいく金額で売却ができるかどうか・・・
不動産業者は自らの利益のため、どうして偏ったアドバイスをしてきます。
今回のケースも、当初のシミュレーションもかなり甘く、リスクを考慮できていませんでした。新築時は順調でも、長期的に考えることができなければ、数年で経営は厳しくなってしまします。
不動産業者の話だけを鵜呑みにすることほど危険なことはありません。公平・中立な立場からリスクも考慮できる第三者の声を聞いてください。
現在検討中の方も、これからご検討される方も是非一度、当事務所にご相談のうえ、大切な土地を上手に有効活用してください。
この記事の執筆・監修
清澤 晃(司法書士・宅地建物取引士)
清澤司法書士事務所の代表。
「相続」業務を得意とし、司法書士には珍しく相続不動産の売却まで手がけている。
また、精通した専門家の少ない家族信託についても相談・解決実績多数あり。